「今日から毎日、テーブルをリセットしよう!」
そう決意したはずなのに、数日経つと「今日は疲れているから明日でいいか」と自分に言い訳をしてしまう……。
そんな経験、誰にでもあるはずです。
実は、物事が続かないのは「根性」が足りないからではありません。
単に「脳を動かすための設計図」が用意されていないだけなのです。
当ラボが推奨する「1%のアップデート」を、ラクラクと日常に組み込むための最強のメソッド。
それが、心理学の世界で絶大な効果が実証されている「if-then(イフ・ゼン)プランニング」です。
この記事を読むと、三日坊主から卒業できる設計図が手に入ります。
意志の力は「有限」である
まず、私たちの「やる気」や「意志」について、一つの事実を認めなければなりません。
多くの心理学実験によれば、意志の力は朝起きたときが最大で、使うたびに減っていく「バッテリー」のようなものであることがわかっています。
仕事で難しい判断を下したり、家事で段取りを考えたりするたびに、バッテリーは消耗していきます。
夜、寝る前にダイニングテーブルをリセットしようとする瞬間に、もう「やる気」の残量はゼロに近い。
これが、習慣化が挫折する物理的な正体です。
だからこそ、私たちは「やる気」という不安定なエネルギーを頼りにしてはいけません。
脳の「自動スイッチ」を入れる魔法の公式
「if-thenプランニング」とは、その名の通り「もし(if)Aが起きたら、そのときは(then)Bをする」と、あらかじめ行動をセットしておく手法です。
- if(もし): 特定の状況、時間、場所
- then(そのときは): やるべき行動
これを決めておくだけで、脳は「いつ、何をしようか?」と悩むコスト(判断)をスキップし、自動的に体を動かすようになります。
なぜこれが強力かというと、私たちの脳には「特定のきっかけに対して、決まった行動を繰り返す」という習性があるからです。
いわば、脳の中に「専用の自動回路」を作ってしまうようなものです。
実践:1%のアップデートを「自動化」する例
当ラボで提唱している習慣を、if-thenプランニングに落とし込んでみましょう。
- ダイニングテーブルのリセット
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- if: キッチンの電気を消して、寝室へ向かおうとしたら
- then: テーブルの上にあるものをカゴにすべて入れる
「片付けようかな、どうしようかな」と考える前に、キッチンの電気を消すという動作を「リセットの合図」にしてしまいます。
- スマホを遠ざける
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- if: お風呂に入る前に(または、夕食を終えたら)
- then: スマホをリビングの端にある「充電スタンド」に置き、それ以降は触らない
スマホを見てしまうのは、手が空いているからではなく、スマホが「目に入り、触れる場所」にあるからです。
- 道具を慈しむ(メンテナンス)
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- if: 仕事終わりにPCを閉じたら
- then: お気に入りのボールペンを一拭きして、ペン立ての「定位置」に戻す
大切な道具をケアする時間を、仕事終了の儀式(if)に紐付けます。
成功率を上げる「if」の選び方
このプランニングを成功させるコツは、「すでに習慣化していること」を「if(きっかけ)」に選ぶことです。
「歯を磨いたら」
「お風呂から上がったら」
「コーヒーを淹れたら」
これらはすでに無意識にできている行動です。
その既存の習慣の前や後に、新しい「1%の行動(then)」を連結させるイメージです。
新しくゼロから習慣を作るのは大変ですが、すでに習慣になっている行動に付け加えるだけなら、一連の流れにしてしまえば、エネルギーはほとんど必要ありません。
失敗さえも「if-then」に組み込む
それでも、どうしてもできない日はあります。
そんな時のために「バックアップ用のif-then」を用意しておくのがラボ流の備えです。
- if: 疲れすぎてテーブルを空にできなかったら
- then: 「今日は貴重な失敗データが取れる日だ」と割り切り、翌朝コーヒーを淹れる前にリセットする
「できなかった自分」を責めるのではなく、「できなかった時のためのルール」をあらかじめ決めておくだけで、自己嫌悪という無駄なエネルギー消費を防げます。
今回の課題
「頑張って続けよう」と思うのを、今日でやめてみてください。
その代わりに、あなたが今日から始めたい「1%のアップデート」に、一つだけ「if」を付けてみませんか?
「〇〇をしたら、そのついでに〇〇をする」
「〇〇をするなら、その前に〇〇をする」
このシンプルな設計図を頭の中に描くだけで、あなたの生活実験は驚くほどスムーズに、そして「自動的」に回り始めます。
