後悔しないモノ選び。自分に課している「3つのラボ・ルール」

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私たちの暮らしは、モノの集積でできています。

朝、目を覚ましてから、夜、眠りにつくまでの間、私たちは何らかの「モノ」に触れ、それらを使って生活を営んでいます。

もし、それら一つひとつのモノが、あなたの意志で選び抜かれた「精鋭たち」だとしたら、毎日はどれほど充実したものになるでしょうか。

逆に、なんとなく手に入れたモノや、妥協で選んだモノに囲まれていたとしたら、知らぬ間に「心のノイズ」が増え、エネルギーが奪われてしまいます。

当ラボにおいて、家の中にモノを迎え入れることは、単なる「買い物」ではありません。

それは「ラボ(生活空間)への受け入れ審査」です。

今回は、私が何度も「買い物での失敗」を繰り返してたどり着いた、後悔をゼロにし、暮らしを劇的にアップデートするための「3つのラボ・ルール」を詳しく解説します。

目次

ルール①:脳の熱を冷ます「ひと晩の冷却期間」

現代は、指先一つで世界中のモノが手に入る時代です。

SNSの広告や、洗練されたネットショップの画面を見ていると、私たちの脳内では「報酬系」という回路が激しく発火します。

「これさえあれば、私の悩みは解決するかもしれない」

「今買わなければ、もう二度と出会えないかもしれない」

こうした衝動は、脳が一種の「興奮状態」に陥っている証拠です。

この状態での決断は、往々にして「感情的な判断」になりがちで、モノが届いた数日後には「なぜこれを買ったのだろう?」という後悔に変わることが珍しくありません。

そこで、私が自分に課している第一のルールが、「ひと晩の冷却期間」です。

具体的には、スマートフォンの「購入」ボタンを押したくなった瞬間に、ブラウザを閉じ、スマホを置きます。

そして、そのまま一晩眠りにつくのです。

翌朝、太陽の光の中でコーヒーでも飲みながら、もう一度その商品について考えてみます。

不思議なことに、夜の興奮の中で「欲しい!」と感じていたものの8割は、翌朝には「あ、やっぱりなくても大丈夫だな」という冷静な判断に変わります。

このひと晩を耐え抜き、それでもなお「これは私の人生に必要だ」と思えるものだけが、次の審査へと進むことができるのです。

ルール②:「メンテナンスの未来」を可視化する

モノを選ぶとき、私たちはその「手に入れた瞬間の喜び」にばかり目を向けがちです。

しかし、モノを持つということは、そのモノの「世話をする時間」を同時に引き受けることを意味します。

当ラボの第二のルールは、「手入れに奪われる時間をコストとして計算する」ことです。

例えば、非常にデザインは優れているけれど、複雑な形状の加湿器があるとします。

一見、部屋を彩る素晴らしいアイテムに見えますが、内部の構造が複雑で、毎週の掃除に1時間を要するとしたらどうでしょうか。

その1時間は、あなたの自由な時間を奪う「負債」となります。

一方で、シンプルで掃除がしやすく、長年使い続けられるメンテナンス性の高い道具は、あなたに「安心感」と「余白」をもたらしてくれます。

私は、モノを選ぶ際に必ず自分にこう問いかけます。

「この道具を、私は1年後も笑顔で手入れしているだろうか?」

もし、手入れが苦になりそうだと少しでも感じたら、どんなに安くても、どんなにデザインが良くても、採用を見送ります。

私たちの時間は有限です。

モノをメンテナンスするために生きるのではなく、自分の時間を豊かにするためにモノを持つのです。

ルール③:「1%のワクワク」を妥協しない

最後のルールは、最も直感的で、かつ最も強力なものです。

それは、「使うたびに、1%だけ口角が上がるかどうか」です。

私たちはつい、

「値段が手頃だから」

「機能が十分だから」

という左脳的な理由でモノを選んでしまいがちです。

しかし、生活の質(QOL)を底上げするのは、そうした論理的なメリットよりも、むしろ「使っていて心地よい」という情緒的な感覚です。

例えば、毎日使うマグカップ。100円ショップの適当なカップでも、お茶を飲むという機能は果たせます。

しかし、作家が丁寧に焼き上げた、手に馴染む質感のマグカップであれば、お茶を飲むたびに、ほんのわずかな「喜び」を感じることができます。

この「1%の喜び」が、一日のうちに何度も繰り返されることで、人生の総和としての充実感は大きく変わります。

「なんとなく」でモノを選ばない。

「これがいい」と心から思えるものだけを、丁寧に、少しずつ揃えていく。

この基準を徹底すると、家の中から「適当に選ばれたモノ」が消えていきます。

すると不思議なことに、一つひとつのモノを大切に扱うようになり、それらがもたらす恩恵をより深く味わえるようになるのです。

ルーティンという「型」に落とし込む

これら3つのルールを毎回思い出すのは大変かもしれません。

そこで、以前に触れた「if-thenプランニング」を活用して、仕組み化してしまいましょう。

  • if: ネットショッピングでカートにモノを入れたら
  • then: その日はパソコンを閉じ、翌朝のルーティンが終わるまで見ない
  • if: 実店舗で素敵なモノに出会ったら
  • then: 必ず一度店を出て、カフェで「手入れの手間」を考えてみる

このように、自分の行動を「型」にしておけば、意志の力を使わずに、賢明な判断ができるようになります。

モノはあなた自信を投影したもの

家にあるモノは、あなたの価値観を映し出す鏡のようなものです。

妥協で選んだモノに囲まれていれば、あなたの生活もどこか妥協的なものになってしまいます。

逆に、厳選されたお気に入りのモノたちに囲まれていれば、あなたの立ち居振る舞いや思考まで、整い、洗練されていくはずです。

「3つのラボ・ルール」は、あなたの自由を守るための防波堤です。

今日から、あなたのラボ(家)への受け入れ審査を、少しだけ厳しくしてみませんか?

その先に待っているのは、ノイズのない、心からリラックスできる最高の空間なのだから。

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